山の人びと ~助っ人~
地域の人たちの思いでできた子育て支援広場
今から16年前の平成20年。「現役のお母さんたちがいつでもフリーに利用できる場所を富士支所に作りたい」と、当時、富士地域審議会委員を務めていたスタッフの藤田さんが富士支所に要望。その後、何度も話し合いを重ね、平成21年7月に富士支所2階に佐賀市社会福祉協議会富士支所の事業として広場がオープンしました。
藤田さん:「当時は月1回、地域の人たちの意見交換の場はありましたが、子育てをしているお母さんたちが集まれるところがありませんでした。ちょうど富士支所の2階に空きスペースがあり、その場所を広場として有効活用。『富士地区ふれあいるーむ』という名称で、スタッフと利用者さんでたくさんのサロンやイベントを行いました。」
令和3年4月には、一緒に活動をしていた佐賀市社会福祉協議会の組織再編により新体制に。地域子育て支援センターの出張広場「富士ふれあい広場」という現在の名称に変わりました。毎週火曜と木曜、10:00~15:30に広場はオープン。町外だけでなく、佐賀市以外の方も利用ができます。
「保護者の方が安心して過ごせる場所にしたい」
富士ふれあい広場では、月2回サロン(要予約)も実施されており、Decoカレンダー作りやタッチケア、親子でリズムダンスのほか、季節を大切にしたクリスマスリース作りや豆まきといったイベントも行っています。これらの催しは、すべてスタッフの方々が考えており、保護者の方に楽しんでもらいたいと年度ごとに行事を決めているそうです。
12月に行われた門松作り(参加費あり)では富士町の竹を使用。多くの親子が参加し広場がいつも以上に賑わいました。
2月に実施される豆まきではスタッフやボランティアの方が鬼役で毎年登場!2024年の鬼役は地域おこし協力隊の林さんでした。
「保護者の方が安心して過ごせる場所にしたいと思っています。お母さんたちが集中して作品作りに取り組めるようにスタッフ一同で子どもたちを見守っています。」と藤田さん。参加者の中には、佐賀市外から定期的に通っている親子もおり、「スタッフの方が気さくで温かい」「広くて過ごしやすい」「のんびり過ごせる」「おもちゃが充実しているので子どもが喜ぶ」など、親子の大切な憩いの場になっています。
保護者に寄り添うスタッフの存在
広場の立ち上げ時から関わっている藤田さん、小川さん、村上さんをはじめ、岡本さん、野中さん。東京で幼児教育講師をしていた地域おこし協力隊の林さん、富士母子保健推進員さん、ほか地域の皆さんもボランティアとして参加しています。毎回、スタッフ2名+ボランティア数名で広場を開催し、広場に来てくれる子どもたちや保護者の方のために尽力しています。
ボランティアで参加している小川さんと村上さんは広場を利用していたお母さんでもありました。小川さんは「富士ふれあい広場は自分たちにも必要な場所だった」と語り、お母さんたちから相談を受けることもよくあるそうです。村上さんは2人目を出産後に、福岡から富士町に移住。「地域の人たちと話せる大切な場だった」と言います。
保護者に寄り添い、温かく見守ってくれるスタッフの存在は、富士ふれあい広場の大きな魅力です。そして、年齢に関係なく、みんなの“生き甲斐の場”になっています。
取材日:2024年12月
藤田さん:「富士ふれあい広場は親子で気軽に利用できる広場です。子どもの遊び場として、お母さんやお父さん達の交流や情報交換の場所として利用されています。楽しくおしゃべりしながら、育児の不安やストレスを解消する場所にもなっています。このような広場が富士町にあるという事が素晴らしいことだとスタッフ、支援グループの全員が思い頑張っています!」
【実施情報】
利用対象:0歳~就園前の乳幼児、就園児とその保護者・家族
場所:富士ふれあい広場(佐賀市富士町古湯2685 佐賀市富士支所内2F)
開所日:火曜・木曜 ※祝日・年末年始は休み
開所時間:10:00~15:30
北部(大和・富士)問合せ 0952-37-3716
※サロンは基本的に全て予約制。開始時間10:30~。
↓「佐賀市社会福祉協議会 地域子育て支援センター」のインスタもぜひ覗いてみてください!
Instagram @scshakyou_hureaihiroba
山口県萩市生まれ。人の良さと里山の環境に魅力を感じて2012年に福岡から三瀬村に移住された堀さん。NPO法人Murark(ムラーク)を仲間とともに立ち上げ、メンバーの1人として佐賀市の中山間地域でさまざまな活動を行っています。
仕事について教えてください
私は、Murark(ムラーク)の事務所でもある「みつせCUBE」の運営管理や、移住空き家相談、“人-食-暮らしの間繋ぎ”を担当しています。「みつせCUBE」は、「つどう・つながる・つくる」をコンセプトに、人が集まる箱=CUBEを目指した場所です。ここでは、イベントや観光案内なども行っています。
移住者との交流について
「みつせCUBE」で、移住者の方と“山ぐらし”の情報交換をしたり、移住に興味のある方や移住者を地元の方につなげたりしています。例えば、みんなでテーブルを囲む「ホリtoごはん」や、交流イベントなどもその一つです。移住者が孤独にならないように、人とつながれる場づくりを行っています。“顔が見える関係”を築く手助けができればと思っています。
「定住支援」が何よりも大事だと話す堀さん。移住された方からの口コミで、Murarkさんを頼る方も少なくありません。
三瀬村の魅力を教えてください
福岡の郊外よりも、本格的な農村環境が広がっているところです。自然に囲まれ人間らしくなれる感覚があり、人間らしく米や野菜など自ら“食”を作って生活しているところが素敵だなと思います。ご近所さんで物々交換したり、困っている時に助け合ったりと、昔ながらのコミュニティーも残っている場所です。
アクセスでいえば、ガッツリ田舎ですが福岡や佐賀の町へ車で1時間ほどで行けるところも良いと思います。
お気に入りのスポットを教えてください
「農家民宿 具座」さんです。ご夫婦ともに三瀬村育ちで、2人で作られた空間がとても素敵です。かまどや五右衛門風呂もありますし、山林や畑を活かした空間で五感を使った、憧れの田舎暮らしを全てここで体験できます。ソロキャンプも可能です。色々な相談にものってくれるので、移住者のよりどころにもなっています。
NPO法人Murark(ムラーク)さんでは、佐賀市の中山間地域で「里山暮らし体験ツアー」なども行っています。“山ぐらし”のリアルをぜひのぞいてみてください!
オンラインでの移住相談も受け付けています。
NPO法人Murark(ムラーク) https://murark.com/
取材時:2023年2月
自分の“やりたい暮らし“を実際にしている方のところに行って、時間を共有し、生活を体感するのがおすすめです。その土地を訪れて、空気、人、食をまるごと体験してみてください! 移住は場所だけでなく、人も大事です。自分が面白いと思える人や、安心できる人が周りにいる集落がいいと思います。
三瀬村生まれ、三瀬村育ちの納富さん。地元である三瀬村をはじめ、富士町や松梅地区など中山間地域の不動産を取り扱い、空き家バンクの物件も数多く担当。山ぐらしの人たちに親しまれている“山の不動産屋さん”です。
仕事について教えてください
地元である三瀬村で不動産業を営んでいます。以前、「やまびこの湯」(三瀬村にある温泉)で7年ほど支配人をしていたのですが、福岡市のお客さんから移住の話や、地元の方から不動産の相談をされることが多く、支配人を辞めた機に不動産屋を始めました。
空き家バンクの物件に携わることも多い納富さん。空き家の現地調査や見学会にも立ち会いをされています。
移住者との交流について
契約後も、気になる方には連絡をしたり、訪問をしたりしています。困りごとが起きた時に、近くに知り合いがいない方がほとんどです。相談に応じて地元の業者を紹介したりもします。自分の地元ということもあり、古くから業者の方を知っているというのも強みかなと思います。
三瀬村の魅力を教えてください
春夏秋冬がハッキリしているところでしょうか。空気も、水もきれいです。また、地域の人たちの交流が密なので、孤立がないように思います。
三瀬村は、福岡市、唐津市、佐賀市中心部への移動も便利なエリアです。移動には車が必要ですが、公共の施設や診療所もあるので、暮らすには不自由がないと思います。コミュニティバスも運行していますよ。
お気に入りのスポットを教えてください
キャンプ場(吉野山・山中・北山 ※北山は現在改装中。2023秋頃オープン予定)や、グランピング施設など、三瀬村ならではの自然を満喫できるスポットが好きです。北山ダムでは、ワカサギ釣りも楽しめ地元の方も集う場所です。
取材時:2023年2月
中山間地域は、自然と共存してゆっくりと過ごせる場所だと思います。冬は寒いですが(笑)、雪のおかげで水がきれいになります。
移住地を訪れる際は、春などの気候が良い時期だけでなく、冬の寒い時期もしっかりと見られてください。そして1年を通して見て、移住地を決められるのが良いかなと思います。