山の人びと ~移住者~
ブータン→富士町に移住
2021年8月に、築100年以上の古民家を購入したマーティンさん。流暢な日本語と気さくな人柄で、地元の人たちともファーストネームで呼び合う仲です。自然、温泉、人をこよなく愛するマーティンさんに“山ぐらし”について伺いました!
移住を考えたきっかけを教えてください
ブータンの大学で講師として教えていた時に、昔から親しみのある日本で仕事を探していました。そして、福岡にある再生可能エネルギーの会社に就職が決まり、九州で住まいを探すように。都会に住むのはイヤだったので、インターネットで“空き家”を検索して、七山(唐津市)や北九州市など福岡に通勤できる場所で空き家を見て回りました。その中で佐賀市の中山間地域で暮らす人たちと会う機会があり、移住者間のコミュニティがすごく良いなあって。ここで暮らしたいと思いました。
現在、再生可能エネルギー発電の開発などを行う会社でシステムエンジニアとして働いているマーティンさん。自宅の屋根の一部に太陽光パネルを設置しており、電力の8割を太陽光で発電した電気でまかなっているそうです。
家を決めた理由を教えてください
美しい景⾊と近くに温泉があることが気に入りました。10年ほど空き家だったそうですが、庭はオーナーさんが定期的に手入れをされていて、家は修繕が必要なところもありましたが本体(梁など)が丈夫で、良い印象を受けました。
暮らしてみていかがですか?
間違いなく良い場所です。みんな良い⼈ばかり。週末に、地元の農協組合の⼿伝いをしているのですが、先⽇は⽥植えに参加しました。地元の⼈や移住者、年齢にとらわれず、さまざまな⼈たちと交流をしています。
通勤、買い物などはどうされていますか
仕事は主にテレワークです。オンラインの会議も問題なくできています。会社(福岡)に出勤する時は車です。海外に出張する時は、古湯から大和町までバスで移動し、大和町から高速バスに乗り空港まで行っています。
買い物は、英龍温泉(古湯の温泉)に行った時に1階の生鮮売り場で買ったり、近くのAコープ(スーパー)に寄ったりしています。DIYをしているので、佐賀市内にあるホームセンターに材料を買いに行くこともあります。
実際に暮らしてみて困ったこと、驚いたことはありますか?
家のことで言うと⾬もりがありました。驚いたことは、⽔がすごく美味しいことです!東京出張の時に水を飲んだのですが口に合わず…。ここの⽔の美味しさを改めて実感しました。
これからの夢やワクワクしていることを教えてください
家のリフォームです。部屋の改装だけでなく、⼟間にヨーロッパで主流のレンガでできた薪ストーブを⾃分で作りたいと思っています。このストーブなら、⽕を消した後も十数時間熱を保てるので、冬も暖かく過ごせます。
あとは、家の裏にある⼭をいろいろと構想中です。山には、桃やかりんなどの果樹があるのでそれらを活かしながら、落葉樹やナッツの木などを入植し、和と洋の植物が混在する森のガーデンを作りたいと思っています。また、富⼠町で林業をしている移住者の⽅と一緒に、日の出を遮る高い杉を伐採する予定です。もちろん、その杉は家で再利⽤します。
取材時:2023年4月
ぜひ多くの方に来てほしいです。中山間地域は人口が減少していますが、魅力的なコミュニティがここにはあります。まちとは違う楽しみがお山にはありますよ。