山の人びと ~移住者~
佐賀&長崎→富士町に移住
ぺんころ出版・冒険作家のコウスケさんと、アトリエたじ・パティシエールのクミさんは、3年前に富士町の古民家に移住。富士町を拠点に、昨年はヨットで冒険の旅“九州1周”にチャレンジ。「旅する出版社pencoro(ぺんころ)出版」というユニット名で活動もされています。
移住を考えたきっかけを教えてください。
コウスケさん:移住のきっかけは偶然舞い込んだ「山移住」の話からでしたが僕らは抵抗なく受け入れることができました。子供の頃から冒険好きで山川海空と野性的に遊び自然の中で生きていたのですぐ馴染めました。
それに住んでいるうちに冒険作家としてもパティシエとしても可能性に満ちた土地に感じました。この家で祖母と3人で暮らし最後の見送りができた事もあり、この古民家にとても感謝しています。
山での生活はいかがですか?
コウスケさん:季節と存分に親しめる環境が気に入っています。生きた風景を観ながら執筆したり絵を描いたり、庭では盆栽に錦鯉や鶏を育て冬には雪で遊んでいます。台所では玖美が鼻唄を歌いながらお菓子を作っていて幸せです。
また、子供の頃は田畑に入り浸り祖父母を手伝っていたので将来は畑や田んぼも始めたいですね。本を書きながらネイチャーガイドもしたいです。海も山も我ながら夢の尽きない良い人生です笑。お菓子作りに庭でお茶摘み、自宅前でスキーなど一つずつ叶えています。
「旅する出版社pencoro出版」について教えてください!
コウスケさん:山の古民家出版社として生まれた「ぺんころ出版」でしたがヨットの旅へ出て、旅する出版社「ぺんころ出版」になりました。今は10ヶ月間の航海を経て育った作品の創作活動に取り掛かっています。完成後は作品達と一緒に地元の佐賀や旅先で読み語りやイベントをして回りたいです。
玖美がお菓子を作り、僕が物語で表現する。昔の紙芝居と水あめ屋さんみたいなコンビで手作りのエンターテイメントができたら素敵だなと思います。9月に北山東部小学校で自著「透明な魚の不思議な冒険」のテーマソングを合唱してもらえたのは嬉しかったです。
パティシエールとしてのクミさんの活動を教えてください。
クミさん:私は長崎県波佐見市の出身です。学校を卒業してから佐世保の老舗菓子店で数年修行後、大手ホテルのパティシエに転職。パティシエ一筋の人生を送ってきました。独立(起業)を考えた時期もあったのですが、当時はまだ独立=店舗を持たなきゃという思いがあって。その頃から依頼があればイベントでスイーツを提供したり、ワークショップもしたりしていました。
実は「いつか日本一周をしたい」という夢もありました。日本各地の食材を知りたい!見たこと、食べたことのないものに出合いたいなあって。そんな中で、同じ想いを持つ旦那さんと出会い、一緒に富士町に移住。そして昨年、念願のヨットの旅に夫婦で出かけることができました。航海中にさまざまな人たちと出会い、船の中でクリスマスパーティーをしたことがありました。私はケーキを作ったのですが、とても皆さん喜んでくれて。こんな風に旅先で生まれるスイーツもいいなあと改めて感じました。今は “店舗をもたないお菓子屋さん” 「Atelier taji (アトリエたじ)」で活動できているのが幸せです。
三瀬村でのスイーツイベントはいかがですか?
クミさん: 1 月に富士町に戻ってきたのですが、またアラスカへの旅に出かける前にイベントをしたいなと思いました。三瀬 CUBE さんをお借りして、2 月から期間限定カフェを毎週月曜日11:00~17:00 にオープンしています。
すべて手製のため内容が変わるかもしれませんが、スイーツセット、焼き菓子、ドリンク等をご用意しています。詳細はインスタグラムにあげていきます。旅先で出会った方からいただいた種子島のさとうきびを使ったりもしています。旅の思い出を飾っていますので、ぜひそちらもご覧ください。
富士町に家(拠点)を持てたことで、旅に出たり、イベントをしたり、いろいろと可能性が広がりました。地域の方たちとも親しくさせてもらっています。旅も、仕事も、楽しくしている姿を子どもたちに見せて、「大人って楽しそう」と思ってほしいですね。
消防団活動に神社の神事や学校行事、地域の草払いや寄り合いが何より楽しいです。地域の和の中に入って人の温かさ居心地の良さに人間は群れで生きる生き物なんだ!みんなと一緒に生きてるんだ!と日々実感しています。ぜひ一緒に和に入ってみてください😊
取材時:2025年1月