山の人びと ~移住者~
東京都→富士町に移住
富士町・古湯温泉街入り口に佇む「古道具・洋裁・喫茶 oriori(オリオリ)」を営むナカシマさんご夫妻。
orioriさんをお目当てに県外から訪れるお客さんも多く、古湯の新たなスポットとして人気です。ご主人は佐賀市、奥さんは千葉県出身のお2人。数々の出会いが富士町でお店を開くきっかけになったようで…。
移住を考えたきっかけを教えてください。
“古道具のお店をしたい”と漠然と考えていた時に、ふらっと立ち寄った都内の移住支援センター(認定NPO法人 ふるさと回帰支援センター)で、佐賀県のスタッフの方に出会いました。その方がお店を始めるならと佐賀県の3つのエリアを紹介してくれて、その中に佐賀市富士町が入っていたのです。
そして、その3つのエリアを実際に訪れたというお2人。
富士町以外のところは町の紹介がメインだったのですが、富士町をアテンドした方が、スポットだけでなく地元の方もたくさん紹介してくださって。古湯の雰囲気だけでなく、住んでいる人も良いなと富士町に惹かれました。
店舗はどうやって決められたのですか?
空き店舗を紹介してもらったのですが、初めてこの物件を見たときは、私たち2人でお店をするには大きすぎると思いました。でも、地元の方に紹介してもらった工務店さんが色々と考えてくださって、自分たちが思い描いていた以上のお店を形にしてくれました。
店内には富士町の自然を感じられる大きな窓があり、開放感もたっぷり。ハイセンスな古道具やアンティークの品々に心が躍ります。一角には洋裁工房を備え、奥さんが古着や着物の帯などを使いアップサイクルの作品を製作しています。
実際に富士町で生活されてみていかがですか。
人がとても温かいです。地元のおばあちゃんたちもお店に寄ってくれます。
雪がすごく降った日、お客さんは誰も来ないかなと思いながらもお店を開けていたのですが、そしたらご近所の人たちがコーヒーを飲みに来てくれて。すごく嬉しかったです。⼟⽇に区の⾏事がある時は、個々の用事や事情も理解し合いながら取り組んでいます。温泉街でみなさん商売をされていることもありますが、すごく気遣ってくれます。
買い物はどうされていますか。
奥さん:道を下って「そよかぜ館」(道の駅⼤和)によく買い物に⾏っています。仕事が忙しい時も、近くにスーパーがありますし、今は宅配などのサービスも充実しているので便利です。
暮らしてみて困ったこと、驚いたことはありますか?
奥さん:虫が大きくてビックリしました(笑)。あとは、草がぼうぼう生えるので、時期によっては草むしりが大変です。交通手段は車がメイン。私は車の免許を持っていなかったので、移住してから教習所に通い、お店がオープンするまでの数か月間で車の免許を取得しました。
これからの夢やワクワクしていることを教えてください。
特定の世代だけでなく、3世代、4世代と世代を超えてみんなが集まれるお店を目指しています。今年の3月には、orioriの3階のギャラリースペースを使用して、佐賀市のフォトスタジオの方が行う家族写真や七五三の撮影会を予定しています。そんな風に、家族をつなぐイベントもこれからはしていきたいです。
取材時:2023年2月
“自分探し“をするために田舎に来るのではなく、したいことを見つけてから移住するのがマストです! そしたら周りの人たち(地元の方)が応援してくれたり、反対してくれたり、いろんな意見をくれます。私たちの時もそうでしたが、反対意見もすごく愛のあるものでした。まずは、“自分のしたいこと”を考えてみるといいかもしれません。